2021.05.19
だいぶ早くにやってきそうな今年の梅雨。洗濯に少し頭を抱える日が続きます。
この時期の奥多摩の山々の葉たちが濃い色に変わってきているそれを、靄がその強さをかすめて美しく見せてくれます。その葉たちの強い色が何者も恐れず真っ直ぐただ何かを信じている感じがして少し苦手な色ですが、靄のおかげで美しさへ意識がいきます。
うん、雨の日もやはりいい。
今日のお気に入りの一枚。これは千葉県の佐倉市にあるDIC川村記念美術館へ行った時の庭園で撮ったものです。影と光が葉の雨を降らせているようなそんな風にも感じます。こんな雨だったら透明の傘をさしてずっと雨粒を眺めていたいですね。
さ、なんだか詩的にはじまりましたが、相反して今一番恐れているのはムカデです。
梅雨の時期は彼らの時期。ムカデのことを思ったり話したりすると、その日のうちにムカデが出るのはきっとあるあるだと思うので、今戦々恐々としながら書いておりますが、背中を這われ噛まれ(正確には噛んではいないらしいですが、感覚は噛まれている感じ)を毎年経験しています。
そして何故か遭遇する機会の多い私…
数日前はゴロゴロしていたら手の上を15cmのムカデが歩こうとしてました。
ひ〜…どこから出てきたのさあ…
私はあなたを攻撃しないのに、なぜあなたは私を攻撃するの。どうにも理解し合えない、ムカデとの攻防戦は永遠に続きそうです。がんばれ、私。
ウェブサイトのworksを更新しました。スタジオでの撮影の様子を載せています。私の事務所は古い民家を改修したものなのですが、その一室を写真を撮る空間にしています。ここでは記念撮影やプロフィール撮影、物撮りなどを行っています。少し小高い位置にある事務所は眺めもよく吹く風はとても心地の良いものです。
突然ですが俵万智さんのサラダ記念日はご存知ですしょうか。現代短歌の先がけのような存在の方です。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日。
1987年に発売された歌集『サラダ記念日』にある歌の一つです。
小学生の頃の授業で習ったと記憶しておりますが、当時はよくわからなかったこの歌の意味も今はなんとなくわかります。そしてそれは私がスタジオを作った理由にもなっていて、「365日いつだって記念日」になる、そんなコンセプトの元になっています。
なんてことない言葉に愛おしさを感じる、なんてことのない出来事も宝物になる、そういう瞬間は誰しももっているような気がします。もちろんそれは他人からは理解のできないものかもしれません。でもその尊い気持ちはとても大切で、そんな宝物の瞬間を写真に残して欲しいといつも思っています。それぞれだけが知る記念日として。そして、それを撮らせてもらえたらなと思っています。
人生は必ずしも思い通りにはなりません(急にどうした)。
時間は限られているし、ほんの少しの出来事で簡単に全てが変わってしまうこともあります。だからこそドラマチックだし前向きにそれらと向き合えるときっと良いんでしょうね。(それが一番難しいけど)
さぁ、今日ももうすぐ終わり。お願い、ムカデよ、出てこないでね。